インタビューに応じる「華人時代」会長の呉洲氏インタビューに応じる「華人時代」会長の呉洲氏 Photo by Kei Nakajima

「今、日本には大勢の中国人が住んでいますが、日本にいるのに、なかなか日本人の友だちができなかったり、中国人の友だちも皆忙しくて会う機会がなかったりと、さみしいと思っている人がけっこう多いと思います。また、日本についての情報にも偏りや誤解があったりします。そこで小さな集まりを企画するようになり、それが次第に大きくなっていきました」(呉氏)

「華人時代」の会員数は約9万8000人に上る。日本に住む中国人は約76万人(2018年末、総務省の統計)いるので、実にその約7分の1以上の人が参加しているという計算だ。つまり、「華人時代」は日本最大規模の中国人コミュニティだといえる。

 会員の大半は中国人だが、中国語がわかる在日マレーシア人やシンガポール人、中国に関心が高い日本人もいる。東京だけでなく大阪や九州にも会員がいて、年齢は10代後半から40代が中心だ。留学生やビジネスパーソン、企業経営者など職業は多岐にわたっている。拙著『日本の「中国人」社会』でも取り上げたが、日本政府のデータによると、在日中国人は20~30代が中心で、全体の60%を占める。やや女性が多いという傾向があるが、「華人時代」の会員の特徴もそれとほぼ合致している。「華人時代」という名称は、読みやすい4文字で、広い意味での華人と、自分たちの時代という意味を込めて名づけたという。

毎月行っている料理会で作った中国料理毎月行っている料理会で作った中国料理

 運営している主要メンバーは約100人。会長の呉氏をはじめ、企業経営者、在日中国系企業の社員、日本企業の社員などがいる。何かあるごとに不定期に集まり、今後の方針や活動計画を話し合っているという。

 企画しているのは、料理会などのイベントや交流会、日中のメディア情報の提供、ビザや在留資格に関する情報や相談、アルバイト、就職、ビジネス、医療、不動産に関する情報など。外部組織や日本企業との連携もあるが、社団法人でもあり、活動は利益が発生しないものだ。会員の中には行政書士や人事・法務に詳しい専門家もおり、会員同士、互いに相談に乗っているという。

台風19号では
日本語を翻訳してSNSで発信

 情報の発信はすべてSNSだ。ウィーチャットの公式アカウント(公衆号[ゴンジョンハオ])を持ち、そこに中国の情報や、日本語メディアからの翻訳情報を日々発信している。また、ウィーチャット内のグループ(朋友圏)、ウェイボー、フェイスブック、ツイッターなどでも情報を発信したり、相互にシェアしたりしている。「華人時代」から派生したグループは50にも上る。ウェイボーのフォロワーは約12万人。多くの日本人もアクセスしやすいよう、11月末までに公式ホームページも開設する予定だ。