電柱が倒壊するなど被害をもたらした台風15号。東京電力の販売戦略にも影響を与えた Photo:JIJI

電力業界の王者、東京電力ホールディングスの2020年3月期中間決算が10月28日発表され、台風による災害特損118億円を計上した。台風の打撃はそれだけではない。本業である電力小売り事業で反転攻勢に出るべくキャンペーンを張ったものの、冷夏や台風15号がそれを吹き飛ばしたのである。

災害特損計上でも7年連続最終黒字
“一見”は順調、根源的に問題あり

「30年近く勤めているが、台風による特損としてはちょっと記憶にない規模」

 東京電力ホールディングス(HD)は10月28日に発表した2020年3月期中間決算で、首都圏、特に千葉県で最大1カ月近い停電を引き起こした台風15号による災害特別損失118億円を計上した。東電の担当者は決算会見で、台風による特損の規模について「過去最大」との認識を示した。

 とはいえ、11年3月の東日本大震災による東電福島第一原子力発電所の事故で発生した20兆円を超える巨額の賠償、廃炉等の費用に比べれば、かわいいものなのだろう。

 東電HDの20年3月期中間決算自体は“一見”、順調といえるものだった。台風15号による特損118億円を計上してもなお、最終利益は4206億円。7年連続で上期最終黒字を確保した。

 ただし、これをもってして“真”に順調と言うことはできない。根源的な問題が別にあるからだ。本業である電力小売り事業に反転の兆しが見えていないのである。