地域の課題解決を担うのは、電力会社がふさわしいはずだ
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電力小売り全面自由化が4年目に入り、異業種間での顧客獲得競争が激しくなっている。その競争は価格からサービスの質を競うものへと変わっていこうとしている。それは新しい技術や、太陽光発電をはじめとした新しいエネルギーをいかに取り込むかの勝負になると予想される。既存の大手電力会社はどう勝ち抜くのか。中部電力の勝野哲社長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

――AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)といった新しいテクノロジーが生まれることで、金融業界や自動車業界などでビジネスモデルの変革を迫られています。テクノロジーの進化は電力業界にとっても脅威ですか。それとも大きなチャンスですか。

 基本的にはチャンスでしょうね。新しいテクノロジーが生まれることによって、社会構造が変わります。その社会基盤を支えているのがエネルギーインフラ。われわれ電力業界にはチャンスがあると思っています。

――電力小売り全面自由化が始まり、これまでの地域独占というビジネスモデルが崩れ、異業種が電力ビジネスに参入しました。競争の焦点は、価格面から顧客体験をいかに充実させるかに変わりつつあります。この競争を勝ち抜く鍵がテクノロジー。具体的にどのように向き合いますか。

 テクノロジーの中心は、まさにIoTとAIです。電力会社が持つエネルギーインフラが新しいテクノロジーを活用して社会をサポートしていきます。

 次世代電力計「スマートメーター」の導入によって、電気の使用量が30分ごとに可視化されました。このデータを蓄積し分析していくと、どんな家電が今動いているかが分かる。そうすると、その人の生活実態も見えてきます。お客さまの生活実態に対して、われわれはいろいろなサービスが提供可能になる。

 これからは、家族の見守りや家電のコントロールもできる。それが送配電網を通じて、世帯間でつながっていくので、地域全体のサポートにもつながる。

――例えば?

 防犯ですね。地域の課題を解決していく事業者として、われわれ電力会社は一番ふさわしいのではと感じている。電気は生活と一番密着していますから。