欧米のエリートがシェークスピアを愛読するのは当たり前。日本でも論語やドラッカーなど、古典や名著を座右の書とする名経営者は少なくない。勉強をしない、教養のない社長では、いずれ会社も行き詰ってしまうといえるのかもしれない。新著『読書は「アウトプット」が99%』を出版した経営コンサルタントの藤井孝一氏が、経営者が熱心に本を読む理由を分析する。
経営者が選ぶビジネス書
上位には「古典」が並ぶ
以前、雑誌「週刊ダイヤモンド」で、経営者が選ぶ“今読むべきビジネス書”がランキング形式で発表されていたことがあります。
115人の経営者が選んだ、その栄えある1位は、司馬遼太郎の『坂の上の雲』(文藝春秋)。2位はドラッカーの『マネジメント』(ダイヤモンド社)、3位は同じくドラッカーの『現代の経営』(ダイヤモンド社)でした。
これらは古典とまでは言えないかもしれませんが、何十年も読み継がれている本であることは間違いありません。
SBIホールディングスの社長である北尾吉孝さんは『論語』を経営に活かしていると公言していますし、ソフトバンクの孫正義さんが『孫子の兵法』を信奉している話も有名です。
経営者は、なぜ古典を読むのでしょうか。
それは、ものごとの真理、本質はいつの時代でも変わることがないからです。