これは店舗の側からすれば非常に有利な条件で、キャッシュレス決済の導入促進につながりますが、問題はいつまでそれが続くかということです。もともとカード会社は、中小の小売店や飲食店、ネット通販会社に対してはもっと高い手数料を求めており、それが日本でキャッシュレス決済が進まない要因の1つになっていました。

 この問題が、今回の政策のお陰でいったん解消された状態になっているのですが、問題はポイント還元政策が終了した後、来年7月以降にこの水準がどうなるかということです。中小のお店の場合、手数料が引き上げられれば、キャッシュレス制度を維持できずに元に戻すという判断も考えられます。しかし、その頃に消費者がキャッシュレスに慣れ、現金しか使えないお店を避けるようになっていたとしたら、お店はどうするべきか。こうした新しいジレンマが予想されるのです。

 一方で、もし決済事業者の求められる手数料がこのまま低い水準に抑えられたとしたらどうでしょう。これは、政府によって指導が行われているわが国では、現実的に考えられるシナリオです。その場合は、2つめの問題として、決済事業者側が別の収益源を考える必要がでてきます。

「リボ払い離れ」に苦しむ
クレジットカード会社に追い討ち

 実は、日本のクレジットカード業界はある問題を抱えています。クレジットとは本来借金の意味なのですが、日本ではクレジットカードの普及のために行ってきた過去のビジネスモデルがボトルネックになっており、カード会社は十分な金利がとれていないという問題を抱えています。

 カード会社としては、何とか金利がとれる「リボ払い」を普及させようとしているのですが、実質的に非常に高い金利が発生するリボ払いは不利だということに多くの消費者が気づいており、それを使わないという現状があります。