グーグルのフィットビット買収は、見かけ以上にリスクが高い。リスクは買収価格に潜むのではない。21億ドル(約2270億円)という買収価格は、ネットの現金残高が1210億ドルとシリコンバレー最大に膨らんでいる企業にとって取るに足らない額だ。株主の抵抗も恐れるに足りない。グーグルの親会社アルファベットは依然として創業者らが議決権を握っている。フィットビットの株主は、1年以上みられなかったような高水準に値上がりした持ち株を現金化する好機に飛びつくだろう。フィットビットの過去3四半期の決算はいずれも株売りを招き、同社株は発表翌日に平均14%値下がりしていた。1日発表された1株当たり7.35ドルという買収価格は、今週に入り買収観測が浮上する前の株価に71%のプレミアムを上乗せした水準だ。