サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは3日、新規株式公開(IPO)の手続きを正式に開始した。市場監督当局が、同社が申請していた株式の一部について国内市場での公開を承認した。当初の予定から4年近く遅れて、世界最大規模のIPOが動き出す。ただ同社の企業価値への疑問は払拭されていない。同国のムハンマド皇太子がこの数日の間にアラムコの上場を承認した。同社はまず12月に国内の証券取引所(タダウル)に上場したい意向だ。その後、海外でのIPOを目指す。国内上場は前倒しされる可能性もある。アラムコIPOの成功には、実質的にサウジの実権を握る皇太子にとって改革者としての名声がかかっている。皇太子はサウジ経済の多角化を図るため、IPOによる調達資金を他の産業に振り向ける意向だ。