転職の面接写真はイメージです Photo:PIXTA

今、転職市場は「売り手市場」だといわれている。テレビやインターネット上で求人サイトや転職エージェントの宣伝がたびたびあらわれ、いかにも給料が今より上がって、いい会社に転職できそうな気にさせられるだろう。しかし実際、転職活動は新卒とは違い、それぞれのキャリアがある程度形成されてしまっているため、個人差が非常に大きく難しい。では、“成功する転職活動”にはどのような共通点があるのだろうか。そこで今回は、人材紹介会社社長として、これまで3000人以上の転職活動をサポートしてきた郡山史郎氏の新刊『転職の「やってはいけない」』(青春出版社)から、「転職」で重要視されるポイントを紹介する。

転職ではなぜ「即戦力」が重視されるのか

 採用というと企業が求職者を選ぶ、つまり、企業側が優位だというイメージがあるかもしれない。しかし、本来求人側の企業と求職者は対等な関係である。「労働」は日本人にとって義務であり権利でもあるので、両者が対等であることは法律でも保障されている。だから、採用では企業ばかりが欲しい人材の条件を挙げているように思うが、求職側も自分の権利や希望を述べてよいのである。もしその希望に合わなかったら入社しなくてもいいし、希望を主張すれば企業がそれに合わせて条件を譲ってくることもあるからだ。

 もちろん、それには企業にとって役に立つ有能な人材であることが前提である。では、「企業にとって役に立つ有能な人材」とはどんな人材だろうか?それはズバリ、「即戦力になる人間」である。ビジネスにおいては研修をせずとも配属されたら即チームのメンバーとして活動できるような知識やスキルを持っている人物のことを指す。求人票を見ると「即戦力求む!」と書いてあることも多く、「中途採用」=「即戦力の採用」というのはもはや常識である。