「以前より疲れやすくなった」
「15分以上はつらくて歩けない」
「信号が変わりそうになって走るとすぐに息が上がる」
「息が一度上がるとなかなか回復しない」
「長い階段は休み休みでないと上がれない」

そんな体力の衰えを感じるようになったあなたに向けて、
新刊『10年後、後悔しない体のつくり方』
何歳からでも体が若返る秘訣を指南した中野ジェームズ修一氏。

卓球の福原愛選手やバドミントンのフジカキペアなど
多くのアスリートに絶大な支持を得て、
青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化を指導し、
箱根駅伝4連覇に導いた運動指導のトッププロが、
理論的かつ結果を出す体のつくり方を伝授します。

「運動すればいいのは、もちろんわかってる」
「でも、それができない、続かないんです……」

わかってます、わかってますとも!

運動が苦手だったり、運動が嫌いだったりする人、
中高年はもちろん高齢者でも、
「これならできそう」「続けられそう」と思えて、
なおかつ、きちんと効果があり、何歳からでもカラダが若返る秘訣を教えます!

【TBS『金スマ』出演で大反響となった中野ジェームズ修一が教える!】なにも運動していないと足腰の筋肉が30〜80歳の間で半分になる!Photo: Adobe Stock

【前回からの続き】

 私たちの体には、600を超える筋肉があります。
 そのうち、とくに衰えやすいのは下半身の筋肉です。
「老化は足腰から」といわれますが、運動不足の生活を続けていると、足腰の筋肉は30〜80歳の間で半分になることすらあります。

 下半身の筋肉が衰えやすいのは、お尻や太ももなど下半身の筋肉が、大きくて力持ちだからです。
「力持ちの大きな筋肉だから衰えやすい?」と不思議に思ったかもしれませんね。
 大事なポイントなので、ちょっと詳しく説明しましょう。

 お尻や太ももなど下半身の筋肉が大きくて力持ちなのは、全身の体重を支えながら、立ったり歩いたり走ったりするためです。
 お尻や太ももなど下半身の筋肉と比べれば、腕など上半身の筋肉は小さいことがわかります。

 筋肉を鍛えるには、通常を上まわる負荷が求められます。
 これは専門的には「過負荷の原則」と呼ばれます。
 もともと大きくて力持ちの下半身の筋肉を鍛えるには、その強さに応じた大きな負荷(過負荷)を加えなければなりません。

 ところが、です。
 私たちの身のまわりは、下半身の大きな筋肉をできるだけ使わなくて済むような環境が整っています。
 駅やオフィスやデパート、それにマンションに至るまで、階段を避けてエスカレーターやエレベーターに乗れば、下半身の筋肉を使わずに済みます。
 わざわざ買い物に出かけなくても、ネット通販で注文すれば、重たい荷物は宅配業者が自宅まで届けてくれます。
 公共交通機関が発達していない地方では、どこへ行くにも自家用車を使うため、歩く機会すら少ない状態です。