日頃の何気ない動きが
意外と運動効果が高い!
オーストラリアのシドニー大学が世界20か国の成人を対象に、座っている時間を尋ねたところ、日本人の平均値は1日7時間と最長レベルでした。
全体の平均値である5時間より2時間も長かったそうです(Baumanetal.AmJ PrevMed,2011)。
座ったままだと、下半身はほぼ使われません。
「ニート」(NEAT)という言葉をご存じでしょうか?
ニートとは、立ったり座ったり、階段の上り下りや家事やオフィスワークなど、「運動」とは呼ばないような日常生活でのエネルギー代謝のこと。その多くは下半身が担います。
私たちが食べたものは、体内で消化・吸収されて、さまざまな活動に必要な栄養素に変わり、活動エネルギーを供給します。
1日に消費するエネルギー代謝のうち、もっとも多いのは生命維持のための「基礎代謝」(60〜70%)です。その次に大きいのがニート(20〜30%)なのです。
日ごろ歩いたり階段を上ったり下ったりする機会減ると下半身が弱くなってニートも減り、太りやすくなります。
逆に、下半身を使う機会を増やし、ニートも増やすと、消費エネルギーが底上げされて、ダイエット効果も得られます。
下半身の筋肉に比べて上半身の筋肉は小さく非力なので、「バッグを持つ」「荷物を持つ」「タオルを絞る」といった日常的な動作でも、知らず知らずのうちに筋トレになっています。
だから、下半身に比べて衰えにくいのです。
実際、上半身の筋力の指針の1つになっている「握力」は、他の筋力と比べて加齢による落ち込みは少なく抑えられています(スポーツ庁『平成29年 体力・運動能力調査』より)。
【次回へ続く】