植物由来の人工肉を手掛ける米ビヨンド・ミートの株価は、7月後半に234.90ドルの最高値を付けた後、現実的な水準にまで急落した。5日の終値は81.45ドルだった。今後、さらに悪い状況が訪れるかもしれない。人工肉業界が結局は「ナッシングバーガー(中身のないハンバーガー)」だと判明したらどうなるだろうか。人工肉市場に占めるビヨンド・ミートのシェアはわずか2.1%だが、同社の時価総額は市場全体の6倍に相当する。同社の今後をめぐる話題の多くは、競争の激化が中心だ。特に、両面作戦を取ろうとする食肉大手の市場参入についてだ。コナグラ傘下のガーデインやケロッグ傘下のモーニングスター・ファームズは、人工肉の分野で顧客ベースとブランドを確立した。カナダの食肉大手メープルリーフ・フーズは2017年に植物性食品メーカーのライトライフを買収し、米国の植物由来たんぱく質市場でシェア38%を獲得した。そして今やタイソンやスミスフィールド、JBSなど大手も植物由来の人工肉の市場に参入しつつある。