再改正でも一枚岩となれない民主党では、最終的な調整が進む
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 改正貸金業法の再改正をめぐる議論が、大詰めを迎えている。

 民主党の改正貸金業法検討ワーキングチームは今月、再改正に向けた中間提言をまとめた。上限金利は「現行水準を当面維持」とする一方、中小・零細事業者に限り、金利を引き上げる方針を示した。

 また、年収の3分の1を超える貸し付けを禁止する総量規制は「廃止を含めた検討を行う」と、トーンこそ弱めだが、5月に出された自民党案と方向性は同じだ。

 背景には、改正の結果、個人事業主らが借り入れできないケースが続出し、表に出ないヤミ金の跋扈を招いたという指摘がある。東京情報大学の堂下浩教授の調査では、2008年5月~11年7月、ヤミ金の推定被害者数は46万人から58万人に増加し、大阪府の調査でも10~11年で、ヤミ金の相談件数が3倍に増加している。

 だが、この中間提言は民主党の総意ではなく、切り崩しに再改正反対派の団体も躍起になっている。

「歯がゆい思いをしてきた。連合(日本労働組合総連合会)も協力してくれるので、この改悪を防ぎたい」──。

 今月6日、再改正反対派議員が座長を務める民主党消費者問題プロジェクトチーム(PT)の会合。毎回のようにオブザーバー参加するという日弁連消費者問題対策副委員長の弁護士が、こう発言した。

 日弁連の言い分は、多重債務者の救済だ。一方、「これまでの過払い金訴訟で、弁護士の懐には数千億から1兆円のカネが入ったとみられる」と再改正賛成派の関係者たちはやゆする。

 改正貸金業法の完全施行からわずか2年。中間提言は今後、党内の座長会議にかけられるが、帰結は不透明だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 宮原啓彰)

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