射程距離=3:1の原則は、逆転が困難な比率
ランチェスター戦略の重要な考え方の1つに、この射程距離理論があります。
先ほどお話した時計をもう一度、イメージしてください。
1位が73.9%(上限目標値)と圧倒的No.1になると、2位は26.1%(下限目標値)までしかシェアが取れません。
時計でいうと、1位が9時(3/4)までシェアをとると、2位は3時(1/4)までしか取れない。この比率が3:1となる。だから相手との力の差が3:1になると逆転は困難であるということを表しています。
射程距離理論は、ランチェスター法則の2つの場合と同じく局地戦と広域戦があり、
1.局地戦=狭い範囲(エリア)、単品、小さい市場でのシェアは【3倍】
2.広域戦=広い範囲(エリア)、全商品、全国市場でのシェアは【1.7倍】
が適用されます(広域では二乗法則が適用されるのでルート3=1.7となります)。局地戦では3倍と覚えておくといいと思います。
ランチェスター戦略3つの結論
ランチェスター戦略における重要な結論が3つあります。
1.ナンバーワン(No.1)主義
2.足下の敵(そっかのてき)攻撃の原則
3.一点集中主義の3つです。
ランチェスター戦略では、No.1の意味が一般的な使い方とは違います。普通、No.1と1位は同じ意味で使いますが、ランチェスター戦略では、No.1とは2位を射程距離圏外に引き離しているダントツの1位のことです。
2位より売り上げが10円だけ多いというような、なんちゃって1位ではランチェスター戦略ではNo.1とは言えないのです。
ランチェスター戦略では、目指すものがNo.1。つまり、2位に局地戦では3倍の差をつけて、圧倒的に勝つダントツのNo.1を目指すのです ここが最も大切なところの一つになります。