ホンモノの1位=No.1とは、ダントツ1位のこと

 先ほどご紹介したランチェスター戦略の3つの結論の中でも、もっとも重要な項目、1番目の項目がこのナンバーワン(No.1)主義です。

 まやかしの1位ではなくホンモノの1位=No.1とは、市場シェアが41.7%=安定目標値=ほぼ一人勝ちの状態であり、局地戦では3倍、広域戦では1.7倍のシェア差を2位とつけているようなダントツの状態を指します。

 また、弱者がNo.1になるには、なりやすい順序というものがあります。

 それは1.エリア、2.顧客、3.商品の順です。

 例えば、世界一の精巧な商品をゼロから作りより、その商品を限られたエリアで販売してNo.1になる方がやさしいと思いませんか? それがつまり、No.1になるには、商品よりエリアでなる方が簡単ということです。

 ビジネスではNo.1以外は生き残れません。だから突然大きな範囲を狙わずに、小さなエリア、小さな商品、何でもいいから小さなNo.1を積み重ねることです。

競争目標と攻撃目標をわける(足下の敵攻撃の原則)

 No.1になるための方法がこの、競争目標と攻撃目標をわけるです。

 弱者が強者に勝つための大切な考え方です。

 競争目標と攻撃目標とはどんなものかというと、

 1.競争目標=自分より上位の相手→戦い方は差別化戦略(違うことをする)
  2.攻撃目標=自分より下位の相手→戦い方はミート戦略(同じことをする、合わせる)となります。

 このことをカンタンに言うと、「勝ちやすきに勝つ」ということです。

 強者に戦いをのぞまない。負ける戦いをしない。強い相手からは逃げるということです。

「怖気づくな、正面突破をせよ!」というのは勇ましいのですが、強い相手とむやみに戦えば、負ける可能性が高いのです。戦い方を間違えれば、優秀な人材が豊富な大企業の子会社でさえも、赤字になったりします。

 その理由は、競争目標と攻撃目標が混ぜこぜになったまま、無計画に思いつきで経営をするためです。「えいやーっ」だけではうまくいきません。