J1は11位と残留争いを抜け出せない
12ゴール獲得「興梠頼み」が苦境の背景に

 序盤戦こそ上位に食らいついていたが、5月に入って喫した10年ぶりの4連敗とともに風向きが変わる。同28日には昨年4月から指揮を執ってきたオズワルド・オリヴェイラ前監督が解任され、昨シーズンの開幕直後にも暫定監督としてチームを再建した大槻毅氏が新監督に就任した。

 2007シーズンから鹿島アントラーズを前人未踏のリーグ戦3連覇に導いた、ブラジル人のオリヴェイラ前監督に率いられた昨シーズンのレッズは、リーグ戦こそ5位に甘んじながら天皇杯を制覇。今シーズンのACL出場権を獲得し、大きな期待とともにオリヴェイラ体制の2年目を迎えた。

 しかし、長く顔をのぞかせていた欠点が、なかなか修正されない。昨シーズンのレッズは興梠が15ゴールをあげた一方で、次に多い得点者はMF武藤雄樹の7ゴールだった。いわゆる「興梠頼み」の攻撃パターンは、今シーズンに入ってより顕著になっていた。

 すでに12ゴールをあげている興梠は、J1新記録となる8シーズン連続の2桁ゴールを達成。通算ゴール数も147に伸ばし、三浦知良(現横浜FC)の139を抜いて歴代6位に浮上した。Jリーグの歴史に名前を刻む存在となった点取り屋に対して、他の攻撃陣が残す数字が芳しくない。

 興梠に次ぐ得点者はMF長澤和輝の3得点。大きな期待を背負ってセレッソ大阪から加入した元日本代表FWで、2017シーズンにはランキング2位の22ゴールをあげた杉本健勇はわずか2ゴールにとどまっている。こうした状況でもゴールを量産できる秘訣を、興梠もこんな言葉で表現している。

「自分で突破してゴールを決める、というタイプの選手ではない。みんながつないでくれたボールを、ラストパスから決めるのが僕の持ち味なので。すべてはチームメイトたちのおかげですね」

 当然ながら対戦チームもレッズ対策を講じる。レッズを封じ込めるには、興梠へと通じるホットラインを遮断すればいい。第2、第3のストライカーがいれば相手のマークも分散するが、残念ながら相手チームに脅威を与えられる選手が現時点では見当たらない。