悪質クレーマーには、組織的に対抗する

 では、悪質クレーマーだとわかったら、どのように対抗すればいいのでしょうか? 細かな対応方法については別の機会に譲りますが、最も大事なのは、悪質クレーマーに対する措置を、あらかじめ店や会社で決めておくことです。

 たとえば、金銭による補償を求められたら、どこまで補償するのか。あるいは「社長を呼べ!」と恫喝されたら、誰にバトンタッチするのか。専門の担当者に引き継ぐのか、そのクレームに直接関係している範囲の上司が対応に当たるのかなどを決めておきましょう。

 裁量に限りのある現場のクレーム担当者の判断だけでは、対抗し切れません。相手の言いなりになって問題をこじらせることのないよう、さまざまなシーンを想定してルールやフレームをつくっておき、例外をつくらずに対応することが大切です。

 悪質クレーマーはこちらの綻びにつけ込んできますから、ラグビーのディフェンス同様、ラインを乱さず、組織的に対応しましょう。