韓国大手企業の業績は
「総崩れ」というべき状態

 足元、韓国大手企業の業績は「総崩れ」というべき状態にみえる。韓国経済を支えてきた半導体業界では、大手企業の業績が大きく落ち込んだ。7~9月期、サムスン電子に次ぐDRAM世界大手のSKハイニックスでは、営業利益が前年同期に比べて93%も減少した。

 2016年から2017年にかけて、世界的にデータセンターへの設備投資などが増えた。それが、メモリ需要を押し上げ、DRAM価格も上昇した。その中で、SKハイニックスは先行きを過度に楽観して設備投資を増強し、在庫を積み上げすぎた。2018年以降、世界的に半導体市況は悪化し、SKハイニックスの業績はジェットコースターが急降下するような勢いで悪化した。液晶分野では世界大手のLGディスプレーも営業赤字に陥った。

 韓国がシェアを高めてきた造船分野でも、業績悪化が深刻だ。中国経済が成長の限界を迎え、世界的に資源輸送などのための海運需要は落ち込んでいる。それにもかかわらず、現代重工業は経営不振に陥ってきた大宇造船海洋を買収した。背景には、政府主導で経営統合が進む中国造船業界への対抗意識や危機感などがあったとみられる。

 収益力が低下している現代重工業が、大宇造船海洋の買収費用を負担したことはかなりの重荷になったはずだ。中国経済がさらに減速すれば、海運市況は一段と冷え込むことは予想できたことだ。韓国造船業界では“ゾンビ企業”が増える恐れすらある。

 また、韓国造船業界では労働組合が賃上げを求めている。これは、造船企業の経営を下押しする。自動車業界でも、労組が毎年のように賃上げを求め、研究開発が思うように進んでいない。労組が経営の自由度を制約し、韓国自動車業界がEV化や自動運転技術の研究・開発において主要国の後塵を拝していると考える経済の専門家もいる。

 韓国企業がどのように事業体制を立て直すことができるか、先行きは楽観できない。