銀行株の行方は、預金に大きくかかっているようだ。KBWナスダック銀行指数は過去1カ月で9%上昇し、S&P 500の上昇率の2倍以上となった。金利が急上昇し、経済が急激に改善しなくても、銀行は資金調達コスト低下の後押しを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融緩和をうまく乗り切れるとの見方が背景にある。例えば、アナリストはバンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴの2020年の純金利マージン予想を10月末以降、上方修正している。銀行は今、債券発行や短期借り入れと比べ、預金による借入比率が歴史的水準に高まっている。預金は最も安価な形態の負債だ。FRBのデータによると、米大手行の第3四半期(7-9月期)の預金伸び率は前年同期比5.8%と17年初め以降最速のペースで伸びている。米大手行の負債総額の約89%が今や預金で、1985年以降最も高い比率となっている。