高収入貧乏家計相談に来ても当事者意識なし。一度上がった生活レベルを下げるのは難しいようです Photo:PIXTA

 上手にお金のやりくりをしたり、家計を健全化したりするには、まずは現状の把握が不可欠です。つまり、「今を見る」ことがとても大切。それができたら次は、「先の見通しを立てる」ことが重要になります。そうして見据えた将来のために、計画を立ててお金を準備していくのが家計管理です。

 しかし、お金が貯められない人は、そうした思考や行動がうまくできません。今の状況を把握することも苦手、先の計画を立てることも苦手。今の暮らしに満足できれば問題ないと考えている人もいます。ただ、その「今が満足」な状況をいつまでも続けられるわけではありません。この考え方を修正していかないと、のちに痛い思いをするのはご自身です。

年収1800万円から収入ゼロへ
税金滞納しても生活レベルを下げられない

 支出が多いため、家計に目を向けたくはないけれど、やはり改善が必要だと感じ、私のところへ家計相談に来たというAさん(47歳)。Aさんは、少し前まで外資系企業に勤めていましたが、職場環境が変わり、仕事がしづらくなったことを理由に転職しようと退職しました。ご家族は、パートをしている奥さん(46歳)、高校1年生、3年生のお子さん2人です。

 これまで年収は1800万円ほどもありました。ですが、あれこれとお金を使いすぎていたのか、現在貯金は200万円ほどしかありません。退職金も出ましたが、それも1000万円ほど。無職の間に頼れる生活資金は、1200万円しかありません。