安倍政権最大のピンチで
なぜ芸能人逮捕をしなかったのか?

 が、腑に落ちないのは、森友・加計学園問題である。

 ご存じのようにこの問題は、「首相自身のスキャンダル」ということで、野党やマスコミが1年以上の長きにわたって追及キャンペーンをした。また、文部事務次官だった前川喜平氏という「告発者」まで登場して、安倍政権はやりたい放題だと強く世間に印象づけた。

 そのような意味では、安倍政権にとってあれ以上の「ピンチ」はなかったはずだ。

 しかし、この問題の最中に逮捕された“大物芸能人”はいない。2017年5月に、元KAT-TUNの田中聖さんが大麻で逮捕された。しかし、2013年9月にジャニーズ事務所を退所していることに加えて、ご本人も容疑を否認していたということで、マスコミもそこまで大騒ぎしていない。(後に証拠不十分で不起訴処分)

 もしこれでスキャンダルを覆い隠そうとしたのなら、完全に失敗である。あまりにもツメの甘い素人仕事だと言わざるを得ない。

 厚生労働省のデータ不正疑惑、重要閣僚の不祥事という、言ってしまえば政権の致命傷にはならないスキャンダルで、「薬物芸能人逮捕」というカードを切っているのに、なぜ森友・加計学園問題という、政権の屋台骨を揺るがすスキャンダルではこのカードは使われていないのか。

 あの時は使えない理由でもあったのか。官邸しか知らない、このカードを使う条件があるのか。それとも、そんなカード自体もともと存在しないのか――。

 野党の皆さんは、安倍首相の疑惑を追及するのも結構だが、鳩山由紀夫氏を引っ張り出して、あそこまで断言する根拠を尋ねてみてはいかがだろうか。