中国共産党内部から異例の量の文書が流出し、新疆ウイグル自治区の少数民族ウイグル族に対する習近平国家主席の抑圧キャンペーンに新たな光が当てられた。中国の反イスラム的な文化浄化に関し、国際社会がすでに断片をつなぎ合わせて把握していた状況に加え、今回明るみに出た弾圧の規模からすると、何らかの対応が求められる。流出した文書はどのような対応をすべきかの手がかりを提供する。
中国が100万人を超えるウイグル族を強制収容するキャンプの存在は以前から知られている。また外国人記者が壁やフェンスに何とか近づき、その様子を撮影してきた。外部のアナリストも中国が新疆を支配するために開発した監視国家のハイテク要素(顔認証技術など)について断片的な情報を持つ。
米紙ニューヨーク・タイムズが16日報じた403ページの文書は、共産党がこの抑圧を自分たち自身でいかに正当化してきたかや、21世紀の政治・思想統制に向けて政府が進めた計画を内側から垣間見る初の機会となった。この秘密資料には少数民族の迫害について習氏や他の指導部メンバーが内部向けにどう説明するか、さらには地方当局者が現場でどう対処すべきかのマニュアルも含まれる。
驚くのは、習氏が釈明のためにどれほど欧米の例を引き合いに出しているかだ。文書によると、同氏はウイグル族の過激派が2014年に起こした一連のテロ攻撃に付け入り、広範に及ぶ弾圧の口実としたことがわかる。また習氏は米国のテロ対策の一部をまねていると主張した。