![紫綬褒章に決まり撮影に応じる、漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」の作者の秋本治さん](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/7/d/650/img_7dfad0fd8b53c98238702de4375c4c7c209521.jpg)
レビュー
![『秋本治の仕事術 「こち亀」作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由』書影](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/d/d/250/img_ddf5fcda5705bee272f95528b78f5fec54237.jpg)
マンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下、こち亀)を200巻まで描き上げた著者、秋本治氏の仕事術が明らかにされる一冊『秋本治の仕事術 「こち亀」作者が40年間休まず週刊連載を続けられた理由』だ。最も発行巻数が多い単一マンガシリーズとして、世界ギネス記録に認定されている『こち亀』。だが驚くべきことに、40年間の週刊連載で一度も休載したことがない。
『こち亀』のハチャメチャな主人公である両津勘吉から、著者である秋本治氏にも破天荒なイメージを持っている人は少なくないのではないか。だが実際には〆切を厳守し、勤務時間は9時から19時。作品ストックをつくってスケジュール管理するなど、徹底した自己管理を行なっているという。『こち亀』の主人公とは正反対だ。40年連続で週刊連載をするという並外れた著者の「持続力」の秘密は、セルフマネジメント術や時間術の活用にあったのだ。
著者の仕事術は、働き方が多様化する現代において、自身をマネジメントしていく際にも大いに役立つだろう。また40年間にわたりマンガのアイデアを出し続けてきた発想術も公開されているので、クリエイティブな仕事にも活用できるはずだ。なによりも「目の前にあることをこなし、ひとつひとつ積み重ねる」という長期的な持続力の大切さを、これほど説得力をもって語っている本はなかなかない。