そうしたシステムの延長線上で今後のキャリアを考えていては、停滞するしかありません。もし45歳、50歳を超えても市場に出ればどんどん転職のオファーが来る人になりたいのなら、自らにスイッチを入れて、30代の人から「あんな50代になりたい」と思われるような活躍をしなければなりません。単純な仕事ばかりしていてはダメです。

 おそらく今後、50代以上の人たちは一部の人たちがキャリアのチャンスをつかんで活躍する半面、その他大勢の人たちは第一線を外されて単純な仕事に追い込まれ、年収も下げられていく傾向になると予想します。

もし自分が今退職したら、
「ウチに来てほしい」と言われるか

 日本人材紹介事業協会が発表している業況調査によると、有料職業紹介事業の常用就職件数のうち管理的職業が占める割合は2%程度にすぎません。管理的職業とは課以上の内部組織の経営管理に従事する人を指します。要するに、エグゼクティブ転職は非常に狭き門だということ。この層に入っていくにはキャリアを会社に委ねず、自分自身で構築するという意識をできるだけ早い段階から持っておく必要があると思います。

 先日、当社に転職相談に来た50代の方は、ある企業の役員を務めていました。しかし事情があって退任が内定したため、転職先を探しに来られました。

 詳しくお話をうかがうと、専門分野で広く深い人的ネットワークを構築し、非常に高い交渉能力のある方でした。そこで退任が正式に決定したら転職活動を始めるという話になったのですが、その後、お断りの連絡がありました。退任を発表した途端、彼を直接知る企業からたくさんのオファーが届いたからです。

 このように45歳を超えてからは、もし自分が退職したら仕事上の付き合いのある企業から声がかかるかどうかが1つの目安になるかもしれません。直接関係のある企業に転職するのはリスクがあるので必ずしもそこに入社する必要はありませんが、声がかかるか否かは市場からの評価そのものだからです。

※日本人材紹介事業協会 人材協、2018(平成 30)年度分「業況調査」を発表

(株式会社クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏)