ロシアのウラジーミル・プーチン大統領にとって今年は良い年だった。しかも状況は良くなる一方だ。同氏はいま多方面で勝利を収めつつある。米国の政治システムに不和の種をまくという目標があまりにもうまく達成されたことには、自身でさえ驚いているに違いない。まずロシアの工作員らが2016年の選挙に介入した。そして非難の矛先をロシアからウクライナへとそらそうとする工作は、米国内の激しい論争という形で実を結びつつあり、トランプ支持派と反対派の亀裂がさらに深まっている。ロシア側は余裕を持ってその状況を眺められる立場にある。最近までトランプ政権の国家安全保障会議(NSC)でロシア担当首席顧問を務めたフィオナ・ヒル氏は先週、大統領弾劾調査における下院公聴会での証言の中で、ロシアのこの方面での成功について簡潔に要約した。「ロシアが成功させた2016年の作戦の影響は今も明らかだ。わが国は引き裂かれつつある。真実が疑問視されている。高い職業意識と専門性を持ったわが国の外交当局が弱体化されつつある」