発売即3万部の大重版! 今、話題のExcel本! 『神速Excel』の著者である中田元樹氏が、今まで語られてこなかったExcelテクニックをやさしく解説します。本連載で取り扱うのは“Excelスピードインパクト”というExcel操作を高速化する技術です。「高速化」と聞くと、「ショートカットを駆使して操作を行う」というイメージを持たれるかもしれません。しかしそれよりも、

・セルの移動と選択をスピーディに行う
・不具合が起こった際に瞬時に解決する
・スピーディにセルの値や数式を編集する
・関数を一瞬で複製する

こうした基本動作を「無意識レベル」で行えるかどうかがカギなのです。この土台の上にショートカットの知識が組み合わさり、初めて「Excelスピードインパクト」を実現できます。基本動作をわかりやすく解説し、一つ一つの仕組みを紐解いていきます。「基本動作」と「ショートカット」をマスターし、「達人の技」を身につけてもらうのが本連載の狙いです。

エクセルの作業時間は「0.1秒」でも減らすPhoto: Adobe Stock

「作業」に時間をかけるのは、もったいない

 Excelはとても素晴らしく便利なツールですが、Excel作業自体が仕事の目的になることは少ないと思います。

 顧客リストをExcelで作る、経費精算をExcelで行う、会議資料をExcelで作る、、、。

 どれも大切な活動ではありますが、あくまでも「サブ」のお仕事であると思います。

 Excelが大好きで趣味のように楽しんでいらっしゃる方であれば、何時間Excelに時間をかけてもよいと思いますが、多くの人にとって、Excelはただのツールであるはずです。

 Excelをバリバリ使って仕事をしているデータアナリストにとっても、Excelはやはりただのツールです。大切なのは分析によって得られた示唆をどのようにビジネスに活かしていけるかを考えることです。

 つまり、Excel作業自体が目的になることはありません。

 しかし世の中には、Excelの集計作業が終わらなくて残業してしまっている方がたくさんいます。日々膨大なデータ作業と格闘して、Excel業務にたくさんの時間を奪われているのです。

 Excel作業に膨大な時間をかけているのは本当にもったいないことです。だから、1分でも短く、いや、0.1秒でも短くする必要があるのです。

 ここまでストイックに時間を意識することは、少し息苦しく感じるかもしれませんが、もう少し広い視点で時間というものを考えてみましょう。