見やすいエクセルを作るには、具体的にどうすればいいわけ? 今回は、項目の並べ方について解説します! 『ビジネスエリートの「これはすごい!」を集めた 外資系投資銀行のエクセル仕事術』の著者・熊野整氏による連載第12回。
エクセルの表の見た目、つまりフォーマットの重要性について詳しく説明しています。前回「エクセルの見やすさは「タテ幅」で決まる!」の続きで、今回は「表の項目の並べ方」について説明します。
エクセルの表で、データの意味や計算方法を一目で相手に伝えるためには、項目の内訳を1列横にずらすことをおすすめします。図1-14を見てください。上の表では項目をすべて左にそろえています。これでは、売上や費用がどのように計算されているのかわかりません。しかし、下の表のように内訳を横に1列分ずらすと、売上は「販売数×値段」で計算されているということがわかります。
投資銀行では、項目を横にずらす作業を徹底します。投資銀行が使うエクセルの表は、数十行もあって縦が非常に長くなります。それを見たときに、即座に表の構成がわからなければ、膨大な計算データを正確に理解できません。項目の内訳を横にずらしておけば、初めて表を見た人でも、簡単に構成をつかめるようになるわけです。
図1-15のように項目の内訳をずらす方法としては、ずらすのに必要な列を選択して列幅を設定し、内訳の文字を入力する、あるいは入力してある文字を移動させるという操作になります。ずらす列(空白の列)の幅は1にします。
内訳を1列横にずらしておくと、表の構造がわかりやすくなるだけでなく、エクセルの作業のスピードを上げるのにも役立ちます。
エクセルの作業で意外と手間取るのが、セルの移動です。セルを選ぶのには、矢印キーを連続して押して目的の位置まで移動する方法もありますし、マウスでスクロールする方法もありますが、いずれも時間がかかります。図1-16のように内訳をずらしておくと、[Ctrl]+矢印キーで一気に選択セルを移動できます。