一井:お客様との信頼関係における問題があると思います。コンテンツビジネスはお客様とつながってはじめて、ビジネスが成立します。つまり、お客様との信頼関係の上に成り立っているということです。ですから、コンプガチャ問題のようなご批判は、我々コンテンツホルダーとしてはきちんと受け止める必要があります。

 もっというなら、コンプガチャに関する対応は、行政指導以前の問題であると考えるべきです。コンテンツビジネスを成功させる上でお客様との信頼関係は不可欠に決まっているのですから。お客様と末永く付き合っていけるようなコンテンツを提供していかなければ我々の商売も長くは続かない。ですから、この信頼関係をソーシャルゲーム市場でも築いていくために、今一度立ち返って考えなくてはいけないということです。

石島:ソーシャルゲーム市場とて例外ではない?

一井:コンテンツビジネスを持続的に行いたければ当然でしょう。すくなくとも、カプコンはユーザーと短期間しか付き合わないビジネスをするつもりはありません。

お客様のライフスタイルに合わせて、
端末を問わず目標を高く持って開発する

石島:私もいわゆるソーシャルゲーム業界関連の方とお話しする機会がありますが、皆さん「あの会社に負けたくない」とか「シェアトップ」にものすごくこだわりますよね。ですが、ソーシャルゲームの成功のいちばんの要因は、シェアの大きさとは必ずしも相関関係がない価格差別戦略の採用にあると思うので、そのあたりのギャップはいつも興味深く感じています。

一井:シェアトップだからって儲かるかっていうと確かに違いますよね。だから、カプコンはシェアトップのみを目指していません(笑)。

 私は開発のメンバーと1年に1回くらい戦略説明会のような場をもちます。そのときに言っているのは、ユーザーの品質評価で業界ナンバーワンになりたいということと、もうひとつは利益でナンバーワンになりたいということ。この二つが、カプコンが目指しているものです。