米カンザス州ローレンスでバーを経営するダンテ・コロンボさんは、店で働くバーテンダーから2本で50ドル(約5500円)もするしょうゆを買うことを提案され、驚いた。「とても高かった」。コロンボさんは当時を振り返ってこう話す。「彼はこれこそが本物のしょうゆだと言った」。日本の離島にある醸造所の木おけで醸成されたもので、味見をしたコロンボさんは「すぐに食欲がそそられた。そんなことは他の食べ物では経験したことがなかった」。バーではその後、「Rhumami」という11ドルのカクテルを発売した。マルガリータを凍らせ、グラスの縁に塩を載せる代わりに中に「ヤマロク醤油」を6滴垂らしたものだ。過去にはコーヒーやオリーブオイルが脚光を浴びたことがあったが、今度はしょうゆの番だ。日本で広く使われているこの地味な調味料が高級品へと姿を変え、高価なワインのように珍重されている。