サウジ、OPEC減産延長を主張へ アラムコIPO控え
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 サウジアラビア政府は国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を下支えする目的で、2020年半ばまでの減産延長を石油輸出国機構(OPEC)の会合で主張する。ペルシャ湾岸諸国の当局者が明らかにした。

 だが中東情勢が緊迫化する中、合意されている減産目標の達成に向けた協議にも暗雲が漂っている。

 サウジが率いるOPEC加盟国は、ロシアが主導する10カ国の政府と5、6両日にウイーンで会合を開き、産油量を日量120万バレルとする合意を2020年3月以降まで延長することを目指す。250億ドル(2兆7400億円)の資金調達を狙うサウジアラムコも5日にIPO価格を発表する予定で、参加国の協議にも大きな影響を及ぼすと見られている。

 ペルシャ湾岸諸国の当局者らによれば、サウジ政府は不安定な情勢によって原油価格が急落することを危惧し、少なくとも2020年6月までの減産維持を狙っている。サウジ政府の顧問は同国が「少なくとも1バレル=60ドルでの安定した価格」を必要としていると述べ、「IPOに参加する国内投資家に影響が生じるため、原油価格の下落は容認できない」と続けた。

 だが事情に詳しい関係者らは、イラクでの騒乱などが新たな減産合意を脅かす可能性があると警戒している。

 イラクでは数週間にわたる反政府デモを受け、減産目標の達成を保証していたアデル・アブドルマハディ首相が辞任の意向を11月29日に表明。OPECの目標を支持していたサミル・ガドバン石油相が留任するかどうかも明らかになっていない。

(The Wall Street Journal/Benoit Faucon and Summer Said)