米国主導の制裁によるイラン経済の窮状が国内で大規模なデモを引き起こす中、実際の財政状況は想定よりもはるかに悪化していることが、最新の米当局の情報分析で判明した。このまま行けばイランは金融危機に陥る可能性があるとみられる。イランは原油の禁輸制裁措置を巧みにかいくぐって石油収入の落ち込みを一部相殺しているものの、外貨準備を切り崩してなんとかしのいでいる状況のようだ。米当局者によると、ロウハニ政権が主要国との核協議に応じざるを得ない状況まで追い込まれた2013年当時よりも経済情勢は厳しいようだ。ガソリン価格の値上げが発端となったデモでは、制裁強化による苦境への市民の怒りがあらためて鮮明となった。政府は国内の燃料需要を抑えることで、その分の燃料を極秘経路で輸出して収入の確保を狙うが、市民のデモは、政府が難しいかじ取りを迫られている現状を浮き彫りにする。