アマゾン、フェイスブックといった巨大ハイテク企業の台頭は、中国の国家資本主義の台頭と同様に、世界各国の経済に悪影響をもたらしている。だが国際的な課税・貿易のルールはこうした動きに対処できるように設計されていない。理想的には、考え方の近い国々が協力して、これらの新しい勢力に対応できるようルールを書き変えるべきだ。しかし今週起きた一連の出来事は、各国が独自の道を選び、世界の貿易システムをさらに弱体化させていることを示している。米トランプ政権は今月2日、デジタルサービス税を導入したフランスへの報復措置として同国産品に高率関税を掛ける案を発表した。米通商代表部(USTR)は、世界的な解決策が必要な問題について、法的な正当性が疑わしい対策をフランスが一方的に適用したと批判した。3日にはスティーブン・ムニューシン米財務長官もこれに呼応し、36カ国が加盟する経済協力開発機構(OECD)への書簡の中で「われわれは、OECDが多国間の合意に到達できるようにするため、すべての国にデジタル課税の取り組みを停止することを求める」と述べた。
米仏の単独行動、世界貿易に悪影響
デジタルサービス税や追加関税、「弱肉強食」システムに近づく動き
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