米国と、他の世界貿易機関(WTO)加盟国・地域の間の対立は、WTOの紛争処理の「最終審」に当たる上級委員会の機能を停止させ、WTO自体の存続を危うくしている。米国と対立する加盟国・地域の中には欧州連合(EU)や中国も含まれる。11日には、加盟国間の主要な貿易紛争に関する裁定を行うこの上級委員会の委員が、審議に必要な最低人数を下回る事態が生じる。世界貿易を促進するため、米国と欧州諸国を中心に50年かけて交渉してきた国際的なルールが危機に瀕している。1995年に創設されたWTOは、こうした努力の中で最も重要な成果であり、世界各国間での痛みを伴う関税と報復の悪循環を回避する役割の一部を担ってきた。今それが行き詰まり状態に直面している。
WTOの危機:米国と他の加盟国の対立で機能停止に
米欧中心に50年かけて交渉してきた国際的なルールの危機
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