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 日本は緊縮財政にふさわしくない時期に消費税を3度も引き上げた。3度目の増税は予想よりも大きな打撃を経済に与えている。

 日本経済研究センターが10日発表した10月の月次国内総生産(GDP)は前月比3.7%減少となった。 消費税が8%から10%に引き上げられたことが響いた。これは、政府が同じ過ちを犯し、消費税を5%から8%に引き上げた2014年4月のGDPに迫る落ち込みぶりだ。

 消費税増税だけでなく、10月に襲来した台風19号「ハギビス」も影響した。しかし、台風が来る前から問題が予想より大きいことを示す兆しが9月に表れていた。

 9月の百貨店の小売売上高は、増税前の駆け込み需要で前年同月比22.8%増となった。2014年3月の同伸び率もそれをわずかに上回る25.2%だった。

 内閣府が発表した9月の景気ウォッチャー調査も10月の月次GDPが2014年4月以来の大幅な落ち込みになることを示唆していた。どの程度が天候で、どの程度が政策によるものかを正確に見極めるのは不可能だ。しかし、増税が間違っていたという事実はほぼ揺るがない。

 日本の経済政策において歴史は繰り返す。1度目は悲劇として、2度目は茶番として。1997年と2014年の消費税増税がいずれも同じ効果をもたらしたことを踏まえれば、増税が景気回復に水を差したときに政府はいいかげん驚いたふりをするのをやめるべきだ。

 国際機関も助けになっていない。国際通貨基金(IMF)は先月、向こう10年で消費税をさらに5%引き上げることを求めた。

 この景気低迷を受け、政府はゆがんだ財政政策全般を見直すかもしれない。純利払い費が対名目GDP比で1%を優に下回っていることを考えれば、日本は債務の持続可能性を重要視しすぎている。

 たとえ政府債務の増加が懸念材料だとしても、度重なる増税はむしろそれを悪化させることは既に明白なはずだ。需要を継続的に抑制し、名目GDPの低成長見通しを一段と根付かせることになるためだ。

 日本が政府支出との神経質な関係を是正するには、まずは来年の財政刺激策をうやむやにしないことだ。日本政府は景気刺激と関係ない支出や民間投資奨励費用を総額に含め、景気対策を誇張するきらいがある。

 過ちを繰り返してきたとはいえ、それを正し始めるのに遅すぎることは決してない。日本は本格的な財政刺激策を実施すべきだ。IMFは無視し、さらなる増税計画は多くのくだらない経済政策案と共に葬り去るべきだ。

(The Wall Street Journal/Mike Bird)