世界の国際金融センター番付では、ロンドン、ニューヨーク、香港がトップ3の常連だ。3都市はいずれも、国境を越えたビジネスを行う上での金融面、人材面、そして物理的なインフラを誇っており、歴史と文化に根ざした世界に開かれた環境を共有している。しかし、グローバル化が後退している世界では、これら資産の重要性も低下する。3都市はそれぞれナショナリスト色を強めつつある国の中で、国際主義者の拠点という浮いた存在となっている。3都市はすべて外国人労働者を引き付ける場所だ。例えば、外国生まれの人口の比率は、3都市とも国全体を大きく上回っている。しかし、米国では移民規制が強まりつつあり、英国でも近い将来そうなりそうだ。中国からの自治権に関する疑念は、外国人居住者にとっての香港の魅力を低下させる可能性がある。ロンドンとニューヨークでは、雇用の伸びが鈍化している。香港はリセッション(景気後退)に陥っている。3都市とも不動産価格が下落しているが、その背景には生活コストの高さや経済的逆風、政治的不透明感がある。
ロンドン・NY・香港、共通する「暗い未来」
グローバル化が後退している世界では、国際金融センターとして重要性が低下している
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