仏ルノーのティエリー・ボロレ前最高経営責任者(CEO)が、解任される3日前に日産自動車のカルロス・ゴーン前会長に関する社内調査を巡り、利益相反に関する懸念を理由に異議を唱え、独立監査を求めていたことが分かった。ボロレ氏が日産の取締役会で読み上げた書簡の抜粋をウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した。これに対し日産は、ボロレ氏はゴーンの支持者として、要求を退けていた。ボロレ氏の書簡を巡る取締役会での対立は、水面下で進められていた昨年のゴーン被告逮捕劇による余波が、なお日産経営陣に及んでいることを示している。ボロレ氏は10月8日の日産取締役会で書簡を読み上げた。ゴーン被告に関する日産の調査に関して、法務顧問や元監査責任者が懸念を抱いていたとするWSJの報道を読んで、行動するに至ったと説明した。