ハローワークで仕事探し写真はイメージです Photo:PIXTA

いまや「ひきこもり」というと若い人よりも中高年のほうが多い現代。2018年の内閣府の実態調査によると、40~64歳のひきこもりが推計約61万人にものぼることが判明した。「中高年のひきこもり」は決して他人事ではなく、突然の解雇や再就職先探し、親の介護での退職など誰にでも起こり得ることが原因となる場合が多いという。そこで前回に続き今回は、臨床心理士として「ひきこもり」の研究、当事者への支援を行ってきた桝田智彦氏の新刊『中高年がひきこもる理由』(青春出版社)から、中高年ひきこもりにみられる2つのタイプについて解説していく。

親の言いなりの「いい子」がひきこもりになりやすい?

 まず、「従来のタイプの中高年ひきこもり」は、思春期から20代前半における挫折が長期化しもので、本人の資質や不適切な養育経験、いじめなどによるところが比較的大きいひきこもりです。では、具体的にどのような性向の方が多いのでしょうか。それは、人づきあいが苦手で、コミュニケーション能力が低く、内向的で、自己主張があまり強くない方に多く見られるように思います。

 このような方たちは同調圧力のある学校や会社での生活になじめず、人間関係を築くこともむずかしいために孤立してしまうことが多いのです。孤独が招くさびしい日々や息苦しい日々を送るうちにそれに耐えられずに不登校になり、あるいは会社へ行けなくなって、ひきこもってしまうケースが少なくありません。