サンダル履きで通えるパチンコ、スマホ一つあればいつでもどこでも競馬、競輪、競艇などが楽しめるオンラインサイト、さらに日本版IR(統合型リゾート)導入で新たに誕生するというカジノ――。成人男性15人に1人と、世界でもダントツで高い割合の日本のギャンブル依存症患者はいったいどこまで増えるのか。(フリーライター さとうあつこ)
外資系金融会社に勤める夫からある日突然、「借金が返せないので自己破産しようと思う」と告げられました。実は夫は年収3000万円を稼いでいながら、家にはほとんどお金を入れていませんでした。生活費は私のパート収入、月8万円でまかなっていたのです。聞けばなんと競馬、競艇、FXとあれこれギャンブルや投資に手を出し、首が回らなくなったとのこと。去年、子どものお年玉がなくなり大騒ぎしたことがあったのですが、今にして思うと犯人は夫だったのかも……。いったい何が彼をここまで狂わせてしまったのでしょう。
誰がいつ、どこでひそかにギャンブルにハマるかわからない――最近はスマホ一つでアクセスできるギャンブルが増えてきた。たとえば、インターネット上で現金を賭け、カジノゲームに参加するオンラインカジノ、略称“オンカジ”。日本では公営ギャンブル以外の賭博は禁止されているが、海外法人が運営し、サーバーも海外にあることから合法とうたわれ、利用者が後を絶たない。
競馬、ボートレース、競輪など、公営競技の投票券が購入できる総合サービスサイトもある。移動中や外出先でも24時間アクセスできるだけでなく、スリリングなライブ映像も見られるというものだ。このほか、FX(外国為替証拠金取引)などの投資に依存するビジネスパーソンも増えている。