痛みは多種多様だった
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憧れの保育士になる
夢がかなう寸前、痛みが始まった

(全身がこんなに痛むようになったのはいつからかしら)

 祥子さん(仮名・29歳)はソファに横たわったまま、一日中考えていた。とにかく痛いので、ぼんやりしていると、頭の中が「痛い」という言葉で満杯になって、思考停止状態になる。それでは人間らしさが失われてしまいそうなので、少しでも論理的思考を働かせるための努力だった。

 痛みは本当に多種多様で、「筋肉が硬直して、こわばるような痛み」「背中全体が亀の甲羅のように硬く、動けなくなる痛み」「血管の中を、微小なガラス片が流れているような痛み」「体中がズキズキとうずくような痛み」「ビリリッと電流が流れるような鋭い痛み」「手足を雑巾のように絞られる痛み」など、ありとあらゆる種類を体感している気がした。

(始まりは首と肩の痛みだったっけ)

 2年前、祥子さんは結婚を機に、幼いころからの夢だった保育士をめざし、専門学校に通って学んだ。痛みが始まったのは、実習生として、園児たちと触れ合うようになってからだった。ある朝、首と肩がギブスをはめたようにカチコチになり、痛みで動けなくなってしまったのだ。