「使い終わったものはその場でしまう」が習慣づけばベストなので、このための小目標を設定していく。「トイレや外出から戻った際などに、目についたものを1つしまう」というルールから始めてみるのはどうだろうか。

 そしてしまうものを1つから2つに増やすなど、徐々に片付けに割く時間を増やしていくのがいいだろう。やがて片付けという行為がAさんに定着し、“片づけられる人”になれるはずである。

「健康を取り戻したい」
生活習慣病に悩む人の場合

 自堕落な生活が祟って、人呼んで“生活習慣病のデパート”の異名を取るに至ったBさん(40歳男性)は、それでも大過なく過ごしてきたが、昨年、尿路結石で病院に担ぎ込まれて以来健康を取り戻したく願うようになったそうである。

「いい加減、若さでは誤魔化しのきかない歳になってきてしまったみたいだ。あんな痛い思いをするのは二度と御免なので健康になりたいが、いかんせん問題が多すぎて何から手をつけていいかわからない」(Bさん)

 このままではBさんの新年の抱負「健康になりたい」は、なんの試みもなされることなく終わってしまう公算が大きい。本人が「何から手をつけていいかわからない」と語るくらいであるから、まさしく“具体性の伴わない目標”ができあがってしまっている。具体性のない目標は、実現が思い描きづらく達成が困難である。

 健康のためにはエクササイズや食事制限が有効なので、この辺りの切り口から改善を試みたい。Bさんは常にビールを飲みまくっていて、それがメタボを招く大きな原因となっているようだが、ここでいきなり「ビール禁止!」はあまりよろしくない。ビール大好きなBさんにとって最初に遂行するにはハードルが高すぎる目標である。

 仮に強い意志で1週間、2週間と断ビールが成功しても、何かの拍子で溜め込んだ欲求が爆発してしまうおそれがある。3週間目に久しぶりに飲んだビールがおそろしくうまくて、以降、新年の抱負などどこ吹く風で多量のビールを堪能するBさんの姿が目に浮かぶようである。

 このような場合は、ビールを完全に断つのではなく減らす方向性が望ましい。自律や節制を要する目標設定の際、抑制のしすぎは禁物で、抑制に緩急をつけてやるとうまくいきやすいようである。「土日は飲まない代わりに金曜は好きなだけ飲んでいい」など、自分にとってのご褒美を予め用意しておくのも有効である。ご褒美があれば自制するストレスも緩和する。「ご褒美のために今はがんばろう」と前向きな気持ちを持つことができる。