米国とイランの間で緊張が一気に高まった今、対立の激化は避けられそうにない。テロが発生する可能性はこれまでよりはるかに高くなった。だからといって実際の戦争が避けられないというわけではない。それどころか、両国とも戦争は望んでおらず、最後の一線は超えないようにしてきた。そうなると問題は、ドナルド・トランプ大統領とイランの最高指導者アリ・ハメネイ師が一度、解き放った勢力を抑えることができるかどうかだ。この対立の新たな局面でまず実験場となるのはイラク国内とペルシャ湾と考えられるが、緊張はサウジアラビアやイスラエルで米国を支援する勢力にも波及し、サイバー空間にも広がる恐れがある。イランが育てたテロネットワークを活性化させる可能性もある。しかし最も懸念すべきは意図せざる事態が起きることかもしれない。