ある日、のび太のパパは風邪をひいてしまう。のび太はドラえもんにひみつ道具「カゼをうつす機械」を出してもらい、パパの風邪を引き受ける。するとパパはすっかり元気になったが、のび太はひどい風邪に見舞われてしまう。そこでのび太は、憎いスネ夫にうつそうとするが、スネ夫のパパが心配しているのを見て、反省し、再び風邪を引き受けてしまった。それからジャイアンに会ったが、珍しくのび太のことを気遣ってくれる。結局、風邪をうつさずに通りすぎるのであった。(『ドラえもん(2)』、「このかぜ うつします」より)

 のび太はどんな相手に対しても、心底憎んだり存在そのものを否定したりはしない。ときに仲間はずれにしてやろうなどと思うこともあるが、実行はできない。のび太は生来の優しさを持っているのだ。

 のび太はよくジャイアンやスネ夫にいじめられるが、野球や何かの遊びのときには、いつも誘われる存在だ。優しさを持って人に接することで、協力者や理解者を得ることができる。そしてそれが幸せな未来の実現につながることを、のび太の生きかたが体現しているといえよう。

【必読ポイント!】
◆ 夢を叶える
◇欲望丸出しの夢は叶わない

 行動しても叶わない夢もある。のび太も、ひみつ道具の力を借りても失敗することはある。そこには、「叶う夢」「叶わない夢」の法則が隠されている。

 あるとき、学校の裏山から宝が発掘された。のび太は自分の分の宝がなくなることを嘆き、ふてくされる。そこでドラえもんはひみつ道具「宝星探査ロケット」を出して、打ち上げてくれた。ふたりは小人の星へ行き、宝を探し当てることとなる。ところが、掘り起こしてみたら、宝はホコリのような小さなものだった。違う星では大きな金の円盤を見つけたが、それはただの硬貨であった。ふたりは、二度と宝探しをしないことを誓うのであった。(『ドラえもん(44)』、「宝星」より)