タンカーを運航する複数の企業は、米イランの対立が激化する中でも石油タンカーが直ちに標的になることはないと予想している。世界の石油輸送の鍵を握る中東地域では、今のところタンカー運賃や保険料に大きな動きは見られない。数十隻のタンカーを運航する欧州企業の幹部は、「中東は火薬だるのようなものだが、少なくとも現時点でタンカーが攻撃を受けることは想定していない」と指摘。イランからも「船が攻撃を受けることはないと口頭で保証されたので、後は祈るしかない」と続けた。ドナルド・トランプ米大統領が2015年のイラン核合意から離脱し、対イラン制裁を発動させる中、イラン革命防衛隊(IRGC)は昨年の春に複数のタンカーを攻撃し拿捕(だほ)した。一連の攻撃を受け、保険会社が支払った補償はすでに1億ドル(約108億円)を上回っている。