「プロにお任せ」とは言っても販売員は運用とは関係ない
ここで告白をしましょう。実は、窓口では、販売者向けに運用前と運用後の計算実例を使った研修はほぼ行われません。販売者が「お客様のためにならない取引である」ことがわかってしまうと、良心のある担当者はセールスにチカラが入らなくなってしまうからです。
金融機関としては収益を伸ばすために、運用の実際について詳しく学ぶ研修は行わず、「販売にとって都合の良い、営業パワーアップ研修」にチカラを入れるのです。
コマーシャルなどで「プロにお任せ」といった表現を目にすることが多いですが、「販売者」は販売にチカラを入れているのであって、運用の実際に接した経験を持っている人はほとんどいないと思って良いと思います。
販売者は、販売のプロであり、運用のプロではないのです。
もっと良い方法もあるのでは?
先ほどの元本確保型投資信託については、もっと良い方法で「低コストのインデックス運用」を活用する、「国際分散投資」を実現する方法があります。
このあと第4章、第5章でご紹介する海外ETFを使って、幅広い銘柄、投資適格の社債に投資する方法をベースにして、国際分散投資のパーツを加える設計ならば、「購入時の手数料」はかかりませんし、「成功報酬」もかかりません。そしてこのような設計をすることで、低いコストで国際分散投資を実現できるのです。