Hさん夫婦では、夫が妻にお金の管理をすべて委ねていました。そこで、お金の使い方を見てみると、支出は毎月の手取り収入42万円ほどの範囲に収まる状況ではありますが、ギリギリな月も多いとのこと。お金はなかなか貯まらない状況です。貯めていくには支出を改善し、毎月貯金額をしっかり捻出できるようにしなくてはいけません。

 さあ、何から取り組むべきだろうかと検討していた矢先のこと、夫が過労で倒れてしまいました。夫は残業や出張を多くこなしており、無理がたたってしまったのです。すぐさま社内では過重労働が問題として取り上げられ、夫はしばらく残業も出張も少ない部署へ異動することになりました。つまり、「時間はできるけれど、収入は減る」事態につながったのです。

 夫が復職してからの月の手取り収入は約31万円に。今までよりも11万円ほど下がってしまいました。これに妻は納得がいきません。異動になったことよりも、収入が下がったことが気に入らないのです。

 収入が下がったのであれば、普通は生活にかかる支出も何とか抑えようという行動を取るもの。もちろん妻もそれなりに頑張ってはいたと思います。しかし、「子どもの塾代は、子どもの成績のためにも、自分の自由時間を作るためにも減らせない」「気分転換をしないともたないから、娯楽費はあまり減らせない」「収入が減ったことが悪い」などと、今以上の家計の改善は難しいことを主張し、全て夫のせいだと言い始めました。

 夫は夫でそんな妻の言葉を「つらい」と感じながらも、収入を下げてしまった自分が悪いと考え、文句も言えません。

 状況の改善には収入増も効果的です。自分の時間、気分転換を大事にするのであれば、それを兼ねて妻に「パートなど外で働いてはどうか、収入も伴うしいいことずくめだろう」と伝えると、「税金や社会保険料がかかると困るから」と聞く耳を持ちません。家計の改善をしようにも、八方ふさがりの状態になっていきます。