収入は比較的多いのに、お金が貯まらない。そういう家庭は、珍しくありません。特に、「必要だ」と感じたものにはお金を払うことをいとわない家庭では、貯金が全くないこともあります。よく聞く「貯蓄ゼロ世帯」は、収入が少ない家庭だけではないのです。また、貯蓄がゼロとまではいかなくても、収入のわりに貯まっていない家庭もたくさんあります。
その大きな原因の1つが、お金の使い方に軸がなく金銭管理もゆるい、いわゆる「メタボ家計」です。夫婦間の風通しが悪い、お金の使い方の方針が共有されていない場合、メタボ家計に陥りやすくなります。
お金の使い方の方針が共有されてない家庭の多くは、完全な「夫婦別財布」の場合が多く、互いのお金の使い方に干渉しない、金銭面では他人のような暮らしをしています。少々さみしい印象もありますが、共働きが多い現代では当たり前になりつつあります。
夫婦別財布の月収100万円夫婦
夫は家計を見直したいが、妻は…
1年ほど前にご相談にいらしたHさんご夫婦も、夫婦別財布の上、夫婦間の風通しが悪く、お金が思うように貯められない状態に陥っていました。
会社員の夫(50)はあと数年でやってくる役職定年による収入減を見越して、「これから貯蓄を増やさなければ!」と一念発起。家計管理に関する書籍を読み、「わが家はメタボ家計に違いない」と思い、支出削減を目的に相談に来られました。