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 改正貸金業法が完全施行されて、来年で10年を迎えます。改正貸金業法では貸し出し金利の上限が引き下げられて一本化したため、グレーゾーン金利(多くの消費者金融などが設定していた払う必要のない金利)がなくなり、改正前には大きな問題となっていた「過払い金」が発生しなくなりました。それでも、改正前に借金を抱えた人をターゲットに「過払い金返還請求」をうたった広告が多数テレビCMなどで流れていたことを覚えている人も多いかと思います。

 しかし、時がたつとともに過払い金の返還を求める人も、過払い金の返還請求を商売のターゲットにしてきた人たちも減ってきています。改正貸金業法によって、「借金」関しては以前よりも比較的平和な世の中になったのではないかと思います。

 このような時代の流れの中で、私のもとへ家計相談に来る人たちも、借金で家計が破綻状態という人から、やりくりに困って貯金ができない人が大部分を占めるようになってきました。そんな中で今でも思い出すのが、ご夫婦そろって借金を抱えて債務整理をしたGさんご夫婦です。

月収50万円なのに家計は赤字!
借金地獄に陥って債務整理した夫婦

 当時、夫であるGさんは会社員で48歳、妻も会社員で45歳でした。お子さんは高校1年生と中学2年生の2人です。収入は共働きなので少ないわけではなく、手取り収入は合算で月50万円ほどはあったと思います。

 ですが、なんでもちょっといいものにこだわりがちで、浪費傾向があったため、毎月の収入をすべて使い切ってしまっていました。それどころか、給料日前に生活費が不足すると、クレジットカードで買い物をしています。子どもたちも両親にねだれば何でも買ってもらえるので、なんでも欲しがり、手に入れている印象でした。