米連邦準備制度理事会(FRB)や他の国々の中央銀行は、これまで長期にわたって、金融市場と景気サイクルのドライバーとしての地位を脅かされたことがなかった。ウォール街では「FRBとけんかしてはいけない」と言われてきた。こうした時代は終わりに近づいている。多くの国々で金利が極めて低くなっており、マイナス金利の国さえもある。中銀はこれ以上の利下げができない状況だ。弱々しい経済成長と低インフレの状況下では、中銀は利上げに動くこともできない。第2次世界大戦後のすべての景気回復は、FRBによる成長促進のための利下げから始まった。すべてのリセッション(景気後退)は、FRBによるインフレ抑制のための利上げの後で起きた。