米アマゾン・ドット・コムが2017年、第2本社の候補地選びやそれに伴う優遇措置を模索し始めた際、ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)ら経営陣は別の不動産プロジェクトのために追加で10億ドル(約1100億円)を確保する目標も掲げていた。目標を設定したのはベゾス氏と側近らで構成する通称「Sチーム」。Sチームは毎年、社内のさまざまなグループのために優先目標を設定している。チームの1人によると、異例の大型目標となった背景には、同年発生した多額の設備投資費用がある。アマゾンは少なくとも2015年から経済的インセンティブ目標を掲げ、何億ドルという規模になることもしばしばだった。同社によると17年の設備投資は前年からおよそ5割増の約100億ドルに達し、人件費は約500億ドルに上った。