大分で生まれ、小・中・高と地元の公立校、塾通いも海外留学経験もないまま、ハーバード大学に現役合格した『私がハーバードで学んだ世界最高の「考える力」』の著者・廣津留すみれさん。

ハーバードを首席で卒業後、幼い頃から続けているバイオリンを武器にニューヨークのジュリアード音楽院に進学、こちらも首席で卒業した。

現在はニューヨークを拠点に、バイオリニストとして活動しながら、起業家としても活躍している。

日本から突如、世界のトップ校に飛び込み、途方に暮れるような大量の難題を前に、どう考え、どう取り組み、どう解決していったのか?

著者が学び、実践してきたハーバード流の考える力について、自身の経験を下敷きに、どうすれば個人・組織が実践できるかを、事例やエピソードとともにわかりやすく紹介する。

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あえて
ふとした疑問を
突き詰めて
考えてみよう

仕事をしているときや街を歩いているときなど、ふとした素朴な疑問が頭に浮かぶことがありますよね。

でも、ほとんどの人は、そのままスルーしてしまうのではないでしょうか。

私は子どもの頃から、頭にふと浮かんだ「?」を気に留めるタイプでした。

子どもは発達の過程で、親に「なんで?」「どうして?」としつこく尋ねてくる「なぜなぜ期」(質問期)があります。

私は、その「なぜなぜ期」がいまでも続いているようなもので、気になった疑問はわかるまでとことん考えたい。それが私の考える力の1つの源泉になっています。

ハーバードには、子どもの「なぜなぜ期」が続いているような学生がたくさんいました。

彼らと話していると、小さな疑問から発生した議論が果てしなく展開して、ものすごく深い議論になっていきます。

「別にどうでもよくない?」と普通なら諦めて次の会話にスキップするような話題でも、深く考えることをやめない仲間との会話。いま思い出しても、それは知的好奇心を刺激される楽しい時間でした。

いまでも私は、他の人に聞いたら「くだらない」と鼻で笑われそうな疑問について深く考えることがたびたびあります。

たとえば……

1 紅茶を上手に淹れるには、カップにお湯を先に入れるべきか、それともティーバッグを先に入れるべきか?
2 冷凍食品の「電子レンジで2分30秒加熱」という指示は、どういう式で計算しているのか?
3 カルビーのお菓子「じゃがりこ」のデザインバーコードは、どういう経緯で誕生して、どのくらい売り上げに貢献しているのか?

一見すると、どうでもよさそうな疑問の背景にも、化学的な理由や物理的な事情、マーケティング上の工夫などが隠れているはず。そう私は思考を巡らすようにしています。

1つの疑問について粘り強く考えてみると、何かしらの学びがありますし、独自の視点が育つ感覚があります。

ちょっとした疑問が頭に浮かんだら、スマホで即ググって、Google先生に正解を教えてもらったほうがいいように思うかもしれません。

仕事などでスピード勝負のときは例外ですが、すぐに調べてもとくに思考力は磨かれません。何より、楽しみがないと思うのです。

だから私は、答えを早く知りたいという気持ちをぐっと抑えて、ひとまず自分の頭で考えてからググってチェックする「ひとりクイズ番組」をすることがあります。

日常生活で本能的に湧き上がってくる疑問や違和感の背景には、これまで常識だと思って疑わなかった“思い込み”や“決めつけ”があるかもしれません。

無意識のうちに「当たり前」だと思っていたことにギャップを感じるからこそ、あるときふと疑問や違和感が生じるのでしょう。

だからこそ疑問や違和感は、自分の思い込みや決めつけの殻を破って、新しい考え方へと導いてくれる貴重なきっかけになると思うのです。

ふと頭に浮かんだ疑問を考え抜いたことがありますか?