同社は深センでオンラインカジノを営んでいたが、当局の取り締まりが厳しくなり、窮余の一策として国外のリアルなカジノに目をつけた。

 カジノを事業化するほどの力はなく、周辺事業で稼ごうと留寿都村を標的にした。

 受け取った政治家の脇の甘さには驚く。

「中国企業のカネとは知らなかった」「観光会社からの献金だと認識している」「講演の謝礼として受け取った」など、説明はまちまちだが、いずれもとってつけたようで説得力に欠ける。

大もうけできる利権を
得るための投資の一部

 ビジネスや事業の進出をめぐって札束が飛び交い政治家が群がることは少なくはないが、この事件を考えるヒントは中国にある。

 腐敗・汚職の横行と社会主義市場経済は無関係ではない。

「市場経済」は自由に金もうけをしていいシステムで、政府の統制を意味する「社会主義」と相容れない。それが中国で成功しているのは、社会主義とは、国家の経済への関与、すなわち「許認可」で産業を動かす仕組みになっているからだ。

 大事な産業や商売は政府の許可がなければ参入できない。業者の適格性や市場規模を政府が判断し、認可を与える。「お墨付き」を得て初めて市場で自由にもうけることができる。

 事業のスタートラインに付く前に「許認可獲得」というハードルがある。

 企業にとって大事なのは「役所の認可」で、ハンコに「値段」がつく。賄賂はハンコ代だから、汚職・腐敗がまん延する。

 カジノも同じ構造なのだ。限られた業者にしか許可が出ない。権益を得れば大もうけできる。ロビー活動(賄賂?)は投資の一部なのだ。

「500ドットコム」から100万円を受け取りながら政治資金報告書に記載しなかったことを問われた日本維新の会の下地幹郎議員(衆議院沖縄比例区)は、「私だけのことか」と居直った。

 政治資金報告書の不記載を修正するのは大勢の議員がしている、というが、「カネを受け取って知らんふりをしているのは私だけじゃない」と言っているようにも聞こえた。